大原敬子(けいこ)公式ホームページ


見方を変えればこの世はすべてダイヤモンド⑤ 雨のしずく  雨のしずくが落ちるのは、必ずおんなじ大きさになって落ちると先生が教えてくれた。最初にこの話を聞いたのは小学校6年生の頃だったと思う。雨のしずくが、ある大きさで落ちてしまうのと同じように人間にも器があるとも聞いた。それから、雨の日、特に明け方に雨が降っていると、先生のこのお話をふと思い出すときがある。

赤いセーター  少し肌寒いと感じるようになってきた、ついこの間のこと。私はお気に入りの赤いセーターを着て大原先生の教室に行った。すると先生が、「すごくいい色ね!!」と褒めてくださったので、私は「すごくお気に入りで彩と取り合いになったくらい」と言った。すると、先生はどっちが着るかどのように決めたのか聞かれた。というのも、普段から私は彩に対して力ずくで、奪うことが多い。
 彩はセーターが家の中のどこにあるのか1時間くらい探したらしい。私は、彩が探した後を見ると、そこに赤いセーターがあったので、それを次の日に着ようとした。すると、彩が「それ、私が探したものだから、私が着る!」と言うので、いつもこうなると私は言いくるめるのが得意だった。まず、いくら探したとしても、最終的に今見つけたのは私なんだから私に着る権利があると言った。それから、これを貸してくれないなら、絶対にスカートとかピンクのマフラー貸さない。3日間好きな日に着させてあげるから明日は私!と言った。
 先生は、それを聞いて、そうか!交渉は相手の弱点を知ってること、そして次に条件か!というようなことを言ってすごく感心してくださった。意外だった。それから、先生はもし、他のもの全部いらないから、貸して、と言ったらどうする?言われた。確かにそういわれれば、赤いセーターを譲ったと思った。数日経てば、他のものもきっと貸している。

山の家、川の家  ロシアに行ったとき、博物館の中にあった、昔の家を見て、先生が「見てごらん」とこんなお話をしてくださった。「山の中にあった家は、木と落ち葉を集めて出来た家。川に近いところにある家は、葦のような柔らかい植物をしならせて、作った家。こうして、その環境にあるもので、環境に合うものをつくるんだね。」その博物館は、ずーっと見ていてもあきない、それくらいおもしろかった。

美しさ  先生のおっしゃっていた、「美しさは、その人の存在があって、はじめて美しい」という言葉がすごく、頭に残っている。

華やかさ  先生に、私は華やかな世界に行きたいといった。すると、先生は、「華やか」という意味は分かる?とおっしゃった。「華やか」は人の心が作り出すもの。一輪の花はきれいというけれど、華やかとは言わないでしょう。華やかな人は、毎日毎日、ひとつのことを続けている。ある日は、きれいだったけれど、次の日台風がきてしまったら、それは華やかではない。感情の起伏に流されず、続けること。今日からやってごらん。と教えてくださった。